UIKit徹底解説
種類 | 情報 |
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著者 | 西方夏子 |
発行日 | 2014年6月11日 初版第1刷発行 |
発行 | インプレスジャパン |
感想
UIKitの機能の中で、最近のiOSで追加になったものを中心にいろいろ解説した本。
対象となってるバージョンは・・・ よくわからない。Xcodeが5.1でiOSが7.1かな?
タイトルだけ見るとUIKitのすべての機能について説明してある本のように見えるけど・・・ そうではない。
Viewの構成やViewControllerの話も無いことはないけど、ほとんどが、最近のiOSで追加になった機能の説明に終始してる。具体的に言うと、iOS6からiOS7で追加になった機能が中心かな? 説明してある最近の機能はこんな感じ。
- Storyboard
- 画面遷移いろいろ
- Auto Layout
- Viewのアピアランス(tintColorとか)
- Textのアピアランス(Text Kit)
- UICollectionView
- コンテナViewControllerいろいろ
UIKitで最近追加になった機能が中心ってことは・・・ 逆に言うと、以前からあるような機能の説明はほとんど無い。UIButtonとかUITextFieldとか、よく使いそうなコントロールの説明も無し。これ一冊でUIKitの機能をすべて解説する本ではない、と。
UIKit関係といえば、『iPhoneプログラミング UIKit 詳解リファレンス』って言う良い本があるから、昔からある機能についてはこっちに任せたってことかな?
『UIKit 詳解リファレンス』の方はすでにかなり古くなってるし、どうせなら、最新の内容でUIKit全体を網羅してくれたほうが嬉しかったんだけど。その場合、本の厚さが倍になってたかもしれないけど。
本文の内容としては、前提としてるバージョンをはっきりさせないままで説明してる部分が微妙。説明に使ってるXcodeのバージョンをはっきりさせないままで、画面を出して説明されても・・・ 時間が経ってから読むような読者は想定外なんだろうか?
『説明に使ってるのはXcode 5.1です』ってはっきり書いてあれば、時間が経ってから参考にした時に画面が違っても、『Xcodeのバージョンが違うから、ここは変わったんだな』ってわかるのに。今のままだと、何年か経って読みなおして、画面が違うのが気になったら・・・ 本を隅々まで読んで、著者が使ってたXcodeのバージョンを想定するところから要求されちゃう。
説明に使ってるiOSのバージョンをはっきりさせないままで、『最新のiOSでは』って説明がしてある部分も違和感が残る。iOS8が出た後からこの本を読むような人は想定外? その頃には、改訂版が出るのかな?
個人的には、テーブルビューの説明にUITableViewControllerが使ってあるのも微妙。ちょっと凝ったことをしようと思ったらUITableViewが必要になるのに、UITableViewControllerだけ説明するってどうなのかと。
まず、UITableViewでテーブルビューの基本的な使い方を説明して、それから、UITableViewControllerを使うとどれだけ楽ができるのかを説明するべきなのでは?
タイトルに『徹底解説』って付いてる割には、細かく突っ込んだ使い方の話が少ない気も。例えばAuto Layoutの制約をプログラムから操作する場合、制約をoutletにつないで操作するのが楽だと思うんだけど、そういう使い方の話はない。
そもそも、表紙に『100%活用テクニック!』って書いてあるけど、この『100%』が何を意味してるかは不明。
iOSの最近の機能について、『なんとなくネットで調べた知識で使ってるけど自信がない』って人にはピッタリの本かな。まずは、目次に目を通して、気になる項目が複数あるようなら、買うだけの価値はあるかと。たぶん。
Auto LayoutとかStoryboardの画面遷移とか、あっという間に古くなりそうな気もするけど・・・ というか、この秋には古くなっちゃうことが確定してるけど、それでも、どうしても今欲しいって人におすすめ。
おすすめ指数:☆☆☆☆
(2014/06/19 読了)