詳解 Objective-C 2.0
詳解 Objective-C 2.0
種類 | 情報 |
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著者 | 萩原剛志 |
発行日 | 2008年6月1日 初版第1刷発行 |
発行 | ソフトバンク・クリエイティブ |
感想
Objective-C 2.0について解説した本。
Objective-Cの言語仕様から、Foundationを中心によく使われる機能の話まで。『Objective-C関係で細かい話が知りたいならこの本を読め』って、周りに薦めて問題ないレベル。
内容としては、同じ著者の書いた『Mac OS X プログラミング入門 Objective-C』を、Objective-C 2.0対応にして修正したもの。あたりまえだけど、Objective-Cの変更点だけじゃなくて、対応するCocoaの変更点などもまとめてある。
使用している環境はこんな感じ。
- Mac OS X 10.5 (Leopard)
- Objective-C 2.0
元の本と比べて、大きな内容としては以下の様な項目が追加されてる。
- ガーベージコレクション
- 弱い参照に対応したコレクション
- 64ビットモデルへの対応
- 高速列挙関係
- 宣言プロパティ
他にも、読んでて気がついたちょっとした追加点はこんな感じ。
- クラスエクステンション
- プロトコルの必須機能とオプション機能
- アンドゥ機構の話
- メソッドの動的な割り当ての話
- 例外処理の話(加筆修正)
- エラーレスポンダチェーン
- コレクション演算子
- キー値コーディング(加筆修正)
- Cocoaバインディング
他にも、細かいところでちょこちょこ変わってて、全部を挙げてたらキリがないレベル。
Objective-Cも2.0になって、多少はバランスが良くなるのかと思ったら・・・ 根本的なところでは変わってなかった。というか、むしろ悪化してる?
@defsの廃止や@packageの追加は良いと思うんだけど、有効になるのは64ビットモデルから? なんだか中途半端だなぁ。どっちも、いきなり有効にすれば良いのに。
クラスエクステンションなんて実装するぐらいだったら、素直に、メソッドもアクセス制御出来るようにした方が良いんじゃないの?
ポインターに対して『.』でアクセスしちゃう感覚も理解できない。これまでC言語で開発してたプログラマーの直感は完全にスルーか。素直に『->』をオーバーロードすればよかったのに。
Objective-Cをちゃんと勉強したい人は、一度は目を通しておくべきな本。もちろん、今から読むなら最新の第3版で。
おすすめ指数:☆☆☆☆+
(2014/02/01 読了)